Laboratorism - 新井裕己のハードコア人体実験生活
 

思い立ったら即リベンジ。
ということで、再度白馬鑓中央ルンゼ狙い。

今回は丸々1日晴れそうなので、前回の教訓を生かして午後のザラメ狙いで。
だったらちょっと入山も変化を付けて、栂池ロープウェイ使って、自然園から金山沢手前の雁股池経由で猿倉の上に出て、そこから大雪渓詰めて白馬鑓へ。
んで、中央ルンゼ滑って双子尾根に登り返して夏道沿いに滑って猿倉へ。
後は林道滑って二俣というプラン。

相当長いぞこりゃ。

ま、Sさんを騙すように誘って、二俣に1台デポ。
栂池の始発を待つが、平日だというのに20人くらいは山入る人がいた感じ。
点検だとかで始発が遅れたんだけど、こちとら長丁場だけにちょっと困りますわい。

さて、ゴンドラから見る山の感じは、やっぱり雨で下部はデロデロの湿雪点発生雪崩だらけ
上部は雪だったようで、雪線は1800mくらいかなあ。
そこより下は黄砂で黄色い雪だけど、その上はきれいな白。
風の影響受けたところもあって、下のクラスト層が見えてるところは色が違うのでわかりやすい。

9:30にロープウェイ降り場出発。
テケテケ自然園を歩いて、なるべく登らないラインを選びつつ、1928.9mの三角点までシール。

白馬岳。白馬沢左俣もきれいに繋がってるなー。主稜も良さそうな感じ。ちょうど見えてる主稜北東面を滑ったははるか昔。しみじみ。

ここから雁股池まで標高差200mのナイスな斜面。
が、上部はデブリでいまいちだったことよ。

雁股池の上の斜面。結構良いです。その先のパイプ沢?は確かにハーフパイプ状。

そこからは通称パイプ沢?に入って、途中からライトに抜けてもう1本ライトの沢を。
すると堰堤より上に出る感じで、ここはスノーブリッジ繋がってて簡単に渡れた。

ここまでちょうど1時間。
二俣から歩くより1時間くらい早いし楽しいけど1720円。
シール付け直して、いざ大雪渓へ。

前回はカリカリだったけど、今回は逆にデロデロザラメ。
ぶっちゃけラッセルです。
フットペンは膝下まで埋まるくらい。
ぐへえ。

が、なんか久々にハイドレーション使ってるからか、非常に調子がよく、1本目は500m標高差/hで、2本目に至っては600m標高差/h
そりゃSさんが遅れるのを責められません。
すいません。

前回同様2時間で2460mの台地まで来てしまった。

途中、犬を連れた単独ボーダーの方がいたけど、滑ったのは杓子の北東ルンゼかな?
下から詰めて同ルート下降のようなトレースなんだけど、滑りのときのデブリで、登りのトレースは消えちゃってて。
とにかく両側からバンバン湿雪雪崩が。
ひい。

1800m以上は新たな積雪で前回あったスプーンカットが見事に埋まっている。
下部のデブリも雨で柔らかくなって歩きやすい。
条件はかなり改善された感じ。

ちなみにこちらが杓子の天狗菱ルンゼ

天狗菱ルンゼ。右側の細いきれいなルンゼ。天狗菱の三角形の岩場の直下まで繋がってます。同ルート往復。

若かりしころの新井裕己はマッドなラインがお好きのようですね。
あんまり変わってないけどw。
リピートはあるんだろうか?

 
さて、台地についたもののSさんは遥か下のほうなので、結局30分以上待機。
あんまり飛ばしてる意味ないわw。
合流してからも無駄話ばっかりで結構時間潰しちゃってるしw。

ま、それはそれで。
ソロじゃないんだし。

 
さて、白馬鑓へは杓子岳の西側を巻く感じになるので、主稜線の2680mの辺り目指して登る。
この辺りはさすがに標高の高い北面なので、雪もザラメではなく、かなり硬いシュカブラと濡れたクラストが交互に出る感じ。
最上部はかなり急なのでツボ足、と思ったら相当硬かったのですぐにアイゼンに。
登り始めたら相当な硬さで、アイゼンの前爪しか刺さらない
ストックの先もギリギリ刺さるかどうかのリアル雪氷壁で、ピッケルを持ってこなかったことをちょっと後悔。

そこを登り切ったら、再度スキーに履き替えて西斜面をトラバース。

コルまで着いたら、やっぱり北面で硬いので、またもアイゼンに履き替えて、ヒーコラやっとのことで登頂。
15:37。
待ち時間入れて猿倉上から5時間か。
あー、しんど。

日射で暑いし、やっぱり硬いほうが登りやすいから、早朝登り+昼寝+午後滑りがいいなあ。

 
さて滑り。
ピークの頂点から真東にドロップ。
最上部はカリカリでちょっとやばかったけど、レフトに寄れば日射でザラメ化してる感じ。
上の方は細い岩の間を抜けて、そこを過ぎると大斜面。
が、まあ全体にカリカリで、所々ザラメの部分があるので、そこを探って滑る感じ。
常時40度なんだけど、雪の状態があんまりよくないんで、ずーっとずらし要素の多いスピードコントロールするショートターン。
あー疲れる。

落石もポロポロ落ちてくるのを避けつつ、段々狭くなって幅10mくらいに。
そこは45度チョイかな。50度はない感じ。
この季節だと結構広いので圧迫感はナシ。

逆に雪が緩んできて、それが雪崩れてデブリだらけ
まあ、きれいに湿雪で落ちてるので、滑り面を降りるのがいい感じ。

とにかく標高差1000m、延々ショートターン。
疲れた。

1000m降りきると、広くなるものの、むしろデブリ地獄なので、
左右のなんとか開いているところを滑るが、あんまりよくない。

最後の最後でライトの尾根が50mくらい面ツルだったんで楽しかったけど、面白かったのはそこの5ターンだけ。
これぞリアル修業なり。

そこからはレフトにガガッとかっ飛ばしてトラバースして、1650mあたりでSさんを待つ。

 
が、見上げてみると、一番狭い辺りで茶色いデブリが出てるし。
大丈夫かなー?

中央のが中央ルンゼ。ノドの部分で茶色いデブリが。全体にデブリ地獄。本当にありがとうございました。

しばらくして合流してから聞いてみると、レフトの岩壁が崩壊して、その落石太腿に直撃くらったとのこと。
ウェア破れてるし。
ひい。

まあ、痛みはさほどではないとのことで、そのまま降りることに。
なんでそんなタイミングで崩壊するかね、しかし。

 
1824mのコルまでは、日も落ち気味で気分も暗くなってくるが、気合いでなんとか。
途中人のトレースかな?と思ったら熊ですな熊。

熊トレース。人間の手の大きさくらい。小日向のコルのちょっと手前。

んで、ほぼ夏道沿いにかっ飛ばして滑るも、酷いストップスノーと黄砂の入り乱れでヘロヘロに。

それでも林道まで出てしまえば後はなんも考えず滑って帰れる。

猿倉を過ぎて、ホっとしたところ、なんと除雪が猿倉まで済んでいる!
これじゃあ滑って帰れないのか?
最悪じゃー!

それでも先行トレースは左右の雪を上手く繋いで滑っているので、同様にがんばって除雪壁を登ったり飛び降りたり。

繋がってない場所も多くて相当苦労しながらもなんとか滑っていくが、前回の除雪終了点より5分くらい上部で、完全に雪切れ。
後は徒歩。

猿倉先では絶望したものの、前回比7割くらいで滑れることは滑れる。
無理矢理だけど。
Sさんはほとんど歩いたそうな。

 
二俣到着18:30。
全行程9時間の白馬鑓中央ルンゼ+パイプ沢でした。

累積標高差は登り2000m滑り3000m
移動距離は21kmだそうです。
そりゃ9時間かかるわ。
あー疲れた。

 
ま、こんだけ苦労しても一度は滑っておきたかった中央ルンゼ。
8年前とかに白馬でいろいろ有名処を滑りまくって、さらには初滑降狙いでもいろいろ滑ってたときに、唯一残していたメジャーラインが白馬鑓中央ルンゼだったのでした。

やっとあの日の宿題をやり終えた。
そんな気分です。

 
快適な部分がほとんどなかったツアーだった上に、落石まで食らった不幸なパートナーSさん、お付き合いどうもでした。

 
それにしてもヘルメットカメラ、最近不調気味で撮影失敗。
もったいない。